アジアの途上国自立支援の一環として始めたニームGreenプロジェクト。
現地で行う実験の進行状況を記録するためにまとめてみました。

2010年2月22日月曜日

スリランカ・センターでの実験

2009年12月から、スリランカの活動センターで、研修プログラムが実施されています。スリランカでは、アンダラブッダ村という、ジプシーの人達が自立を目指している村があり、その自立支援にニーム(コホンバ)が活用されていることは、NPOのブログなどで紹介されています。

アジアの貧困村で自立を目指す若者が、地元で自生するニームを農業や生活に役立てるために、いろんな実験がスタートしています。種の核からオイルを搾ったり(いわゆるニームオイル)、搾りカスを肥料に使ったり(ニームケーキ)、カンボジアの実習ファームと同じように、葉っぱからスプレー用の原液を作ってみたり、殻や果肉を砕いみたり、といろいろと試みています。

なによりも、ジプシー村の支援で引き取られた、ニームの乾燥した葉っぱや、種、果肉 が、活動センターにはたくさんあります。これらを役立てない手はありません。また、アーユルベーダーのドクター(会社?)は、薬効がある木は希少でその辺 には生えていないと言っているというような情報もありますが、薬効のあるニームの特徴を効くと、”その辺(ジプシー村)に生えている”ニームがそうではな いのか、と思われるような現実もあったりと、実態が良くつかめません。

本当に忌虫効果があるのか、肥料になるのか、そういう実験は、自分達で実証していくのが今の私達に出来ること。とにかく、まずはやってみること、それが一番です。
日本にある製品PRのための情報は沢山手に入りますが、 オイルやニームケーキの作り方というのは見つかりません。

日本から持参した、製品になっているオイル、ニームケーキを目と鼻で研究しながら、あの手この手でそれに近いものをまず作ってみよう...と。

「こ のニームケーキは、一番有効成分の多い、核をそのまま使っているので、栄養が高い、オイル圧搾のあとのカスではありません」というようなうたい文句がPR にあります。でも、やってみると、オイルを搾ったカスでないということは、種の殻と核を別々にする作業が無くてよく、オイル圧搾もしなくてよいので、なー んだ、簡単じゃん、ということになります。

「搾ってない核だけ」と書いてある、ちょっと値段も高めのニームケーキ製品も、よ~く観ると、殻を砕いたような白い粒も見えます。また、圧搾した跡のような、固まった核も見えます。なんだか何が良い、と言いたいのか、実際にどっちなのかよく分かりません。

それでも、そのニームケーキ製品を畑に使ってみたところ、結構早い時期に放線菌という、土によいと言われる菌(白いかび?)が出てきたと言う観察結果なの で、土によいということは本当のようですから、自家製のニームケーキ を作って、同じように放線菌がでるかどうか観たいところです。


自家製ニームケーキは、オイル圧搾の搾りカスのみのもの、殻や果肉も粉砕して混ぜて、製品の見た目や臭いに良く似たものを作ってみたもの、の2種類を作ってみました。
し かしながら、今は、研修生の課題が「自分で考えて自主的に行動する」ということで、畑の実験や観察は、彼らの手にゆだねられています。独自の堆肥づくりを 研究しており、研究といっても、よさそうなものは何でも放り込んで、てんこ盛りの堆肥と言う感じで、どこまで実験になるのかは...。

ニームオイルも、希釈してスプレーし、虫除けのために使うことが目的ですが、畑の面積が対した広さでもなく、葉っぱから原液をとって希釈するスプレーとの比較ができていないようにも思います。

日本人ボランティアに、ニームの実験を独自にやってみて欲しいと投げかけて(丸投げして?)きましたが、これもまたどこまでどのように実験できるか、短期間ということもあって未確定です。
こ のほか、大量の葉っぱは、状態の良いものはお風呂にハーブ湯のようにして使ってみたいというような人がいてそれに試用されたのを除いては、センターに米袋 に入ったまま眠っていました。これらは、堆肥づくりに使われたようです。研修生の独自の堆肥づくりではなく、もう少し時間をかけてゆっくり熟成させて作る (今年の12月~始まる次期の研修に向けて?)堆肥の材料として使われているようです。

また、研修プログラムへ技術指導のために来ていた、NPO法人Shien Tokyoでは、ニームで草木染を実験したりもしていました。
ニームの実験によって、オイル圧搾体験ができたので、他の食用オイルも自分達で作れる、とか、スプレー等の希釈体験から、計算したり、原液では良薬も毒になり使えない、ということを学んだり色んな学習が出来ていると思います。